君がいた幕末で


私は慌てて巾着を受け取った。

「ありがとう!」

そして。

そのまま走り出した。

少年は呆然とする。

「は?」

綺麗な子だったのになぁ。

なんだったんだあいつ。

訳が分からない。

助けただけだ。

それなのに。

まるで何かから逃げるみたいに。

少女は走り去った。

残された少年――藤堂平助は。

不思議そうにその背中を見つめていた。