君がいた幕末で


生きてほしい。

みんなに。

生きていてほしい。

笑っていてほしい。

歴史なんかより。

教科書なんかより。

私は目の前の人達の方が大事だった。

その時だった。

遠くから晋作の声が聞こえる。

「れな!」

私は振り返る。

晋作が手を振っている。

玄瑞が呆れた顔をしている。

稔麿が笑っている。

いつもの景色だった。

だけど。

私は知っている。

この景色は永遠じゃない。

だからこそ。

私は走り出した。

三人の元へ。

――失いたくない。

その想いを胸に抱えたまま。