君がいた幕末で


その日の夜。

私は一人で空を見上げていた。

長州へ来てからの日々を思い出す。

晋作。

玄瑞。

稔麿。

町の人達。

みんな優しい。

みんな大好きだ。

そう思った瞬間だった。

ふと。

ある記憶が頭をよぎる。

歴史の授業。

教科書。

そして。

高杉晋作。

久坂玄瑞。

吉田稔麿。

私は息を呑んだ。

――そうだ。

私は。

この人達の未来を知っている。

その事実が。

初めて重く胸にのしかかった。