姫、拾っただけなのに最強(最凶)総長様にただただ溺愛されてます。

ガラガラっと音を立てて、扉が開く。


「おはようございますみんなさん」


「先生『みなさん』ね?本当治らないよねーそのクセ」


宵果が速攻ツッコミをかます。


今入ってきたのは、どこかの外国育ちと言っていた、五十嵐(いがらし) ナオ先生。


ちなみにどこ育ちなのかは分かっていない。


せっかくとてもいい顔立ちが、発音のせいでお茶目キャラみたいになって台無しだ。


日本人だったらモテていただろうに。


「今日は、転校生を紹介します」


お?言えてる。


「入ってきていいですよ」


――ピシャンッ!


わたし以外の全員の肩が震え上がる。


そこに立っていたのは……


「え?」


氷川(ひがわ) 獅季(しき)。今俺の目線にぶつかっている女以外はキョーミねぇ」


!?誰!?あの顔だし宵果に一目惚れ!?


って……


う、そ…昨日の?あの青年なの……?


名前、氷川くんって言うんだ…


「名前教えろ。そこの前3列目右から5列目の女」


わ、わたし…?


「ちょ!有栖さんだよ!?」


「あ、え、有栖(ありす)……梨乃(りの)、です…?」


「おい教師、俺の席あいつの隣な」


「先生においと言ってはいけませんですよ」


「そんなんどーでもいいだろバカ教師。とにかくそれで決定な」


「駄目です。有栖さん、逃げて」


「あ゙ぁ゙?」


氷川くん、強引…あの時の弱々しさはどこ行ったの……?


すると、氷川くんが、わたしの隣に座る男の子の真正面に立った。


「ヒイイッ!」


男の子が怯えた声を上げる。


「お前…席、変われ」


「すすすすすすみませんっ!!今すぐに―――ッ!!」


そう言って荷物を高速でまとめる男の子。


「あんがとよ」


「ふぇ?ありが…とう?」


氷川くんにも、ちゃんと優しいとこ、あるんだな。


……じゃなくてッ!


一体全体、どうなってるの〜っ!?