「でさ」
先輩は、片手でギターを持つ真似をした。
「ギター、俺。歌、山谷さん。ベース、山谷さんの友達の大谷木さん。ドラム、美由紀」
「えっ」
一気に名前が出てきて、
頭が追いつかない。
「瑠奈が、ベース?」
「うん。山谷さんの親友も一緒に居たら山谷さんも心強いと思うし。それに、手先器用そうだし、リズム感ありそうだし、夜中にベース弾いてても怒られなさそうな性格してる」
「最後の条件、必要ですか?」
「結構大事」
冗談めかして笑う。
「美由紀がドラムは、予想つくでしょ」
「……分かります」
きっちりリズムを刻んで、
全体を見て、冷静に判断する役。
夏目美由紀に、
これ以上ないくらい似合っていた。


