「ごめん。別に、山谷さんが悪いわけじゃないのは分かってる」
分かってる。
分かってるのに。
「でもさ、〝何も部活してない人〟って、いいよな」
自分でも何を言っているのか分からなくなりながら、続けていた。
「目標もなければ、〝挫折〟なんてもの味わないんだから」
空き教室での彼女の声。
川沿いの夜。
病室の風。
どれも、「ここにいる」って言っていた。
「俺なんか、足一本やっただけで、〝終わりかもね〟って言われる世界にいるんだよ」
その言い方は、卑怯だと分かっていた。
でも、止められなかった。
山谷さんの目が、少し揺れる。
それが、
『ごめんなさい』と言っているようにも、
『違います』と言っているようにも見えて、
余計に苛立ちが増した。


