君が照らす人生は、いつだって温かい






「ところでさ」



少し沈黙があったあとで、
春日井先輩がふいに言った。



「山谷さんって、前から俺のこと知ってた?」



「えっ」



「体育館で見てたとかじゃなくて」



春日井先輩は、
天井を見上げるふりをして、
少しだけこちらをうかがう。



「なんかさ。あのとき〝もう会えなくなったらどうしよう〟って顔してたから」



「見てたんですか、あの顔」



「二階席まで、意外と見えるんだよね」



冗談めかして言う。
でも、その問いは、
ずっとどこかで待っていたもののようにも感じた。


――言うなら、今かもしれない。


胸の奥が、どくどくと音を立てる。

川沿いの夜。

冷たい風。

柵。

『今日まで生きてきたんだよ』。

あのときの景色が、一度に蘇る。



「わたしが……中三の冬」



自分の声が、少し震えた。



「川沿いで会ったのって、春日井先輩ですよね?」



春日井先輩の目が、大きく見開かれる。