君が照らす人生は、いつだって温かい




「そういえばさ」



ひと段落したところで、春日井先輩が言う。



「美由紀から聞いたよ。〝歩実ちゃんが見舞い行きたいってウロウロしてた〟って」



「ウロウロ……」



あの職員室前や保健室前を二往復してたこと、
しっかり話を聞いているっぽい。



「ごめんなさい。なんか、ストーカーみたいで」



「いや、全然。むしろ、そんなふうに気にしてもらえるほうが、ありがたいっていうか」



春日井先輩は、
少しだけ目を伏せてから続けた。



「正直さ。倒れたとき、〝あ、これ人生終わったかも〟ってちょっと思ったんだよね」



「終わった……?」



「バスケとか、高校生活とか、いろいろ」



あの鈍い音。

担架。

天井を見上げる横顔。



「でも、こうやってさ」



春日井先輩は、ベッドの柵を指で軽く叩く。



「病院のベッドで、〝図書室でCDの話した一年生〟が来てくれるって、想定してなかったから」



「……私も、想定してなかったです」



病院の白いシーツの上で話すことになるなんて、
想像もしなかった。



「だから、なんか、〝終わった〟って感じじゃなくなった」



彼は、少し照れくさそうに笑う。



「ちゃんと〝続き〟があるんだと思えた」



その言葉に、胸の奥があたたかくなる。