君が照らす人生は、いつだって温かい




病室は、四人部屋のいちばん窓際だった。

カーテンを少しだけ閉めて、
簡易的な半個室みたいになっている。



「どうぞ」



ベッド脇の椅子を指さされ、
私は鞄を足元に置いた。

窓の外には、小さな公園と駐車場。

遠くに、川のきらめきが見える。



「足……」



言いかけて、言葉を飲み込む。

左足首からふくらはぎにかけて、
しっかりと固定具がついている。



「うん」



彼が先に言った。



「派手にいった。骨にヒビと、靭帯ブチッと」



「ブチッと……」



「医者はもうちょっとマシな言い方してたけど」



肩をすくめて笑う。



「でも、ちゃんと治せばバスケできるって。前と全く同じにはならないかもしれないけど、バスケもできる可能性はあるって」



「……よかった」



心の底から出た声だった。



「まだ〝よかった〟って言うには、正式な結果出てないんだけどね」



そう言いながらも、
彼の目は少しだけ前を向いていた。



「リハビリ、きついですか」



「まあ、それなりに」



ベッドの端を軽く叩く。



「さっきも、ゴムバンド引っ張りながら、〝何やってんだ俺〟ってちょっと笑いそうになった」



「笑いそうに?」



「うん。体育館で走りまわってたやつがさ、今はここで地味に足上げ下げしてるのかって」



そこには、
自分を少し俯瞰して見るような視線があった。



「でもさ」



彼は、窓のほうを一瞬見てから、
こっちに視線を戻した。