君が照らす人生は、いつだって温かい




第四クォーター。

残り時間、三分を切った。

スコアは「62-62」の同点。



「やば、漫画みたいな展開」



瑠奈が、手に汗をかきながら呟く。

南陵のシュートが外れて、
リバウンドはうちのセンターが取った。

ボールは、すぐに春日井先輩の手に渡る。

コートが、少しだけ広くなったように感じた。



「ラスト一本、だよね」



誰かが二階席で言う。

ベンチからも、
『時間使え』『落ち着け』という声が飛んでいる。

春日井先輩は、
ゆっくりとフロントコートにボールを運んだ。

右手でボールをつきながら、
視線だけで仲間の位置を確認する。

ディフェンスが、一人、二人と寄ってくる。

タイムアウトを取るのかと思った。

でも、彼はボールを守りながら、
ほんの一瞬だけゴールを見た。

次の瞬間、スピードが一段階上がった。