◇ 前半が終わったとき、 スコアは「34-39」。 五点ビハインド。 「全然悪くないよね。だって、春日井先輩出てなくて、この点差だもん」 「うん。相手、すごく強いのに」 ハーフタイムの間、 ベンチのほうをちらちら見てしまう。 春日井先輩は、タオルで汗を拭きながら、 コーチと何か話していた。 口の動きまでは見えない。 でも、あごのラインが強く見えた。 『出してくれ』と言っているようにも見えるし、 『まだ追いつけます』と笑っているようにも見えた。 そのどちらも、きっと真実なのだろう。