机の上のCDケースの隅には、 レシートが挟んである。 『雨宿りの時間 一点 税込¥2,200』。 私の今月のお小遣いの、少し大きな割合。 でも、これはたぶん、ただの買い物じゃない。 あの夜から今日まで、 なんとか『終わらせずに』持ちこたえた自分への、 最初のご褒美だ。 まだ『私だから』とは言えない。 でも、 『私なんか』とばかり思っていた人間が、 『私が選んだもの』をひとつ持てた。 そのことが、なによりも大きかった。