「ほら、座りなさい。カレー冷めるよ」
「はーい」
言われるままに、
春日井先輩の隣に腰を下ろす。
義母が、
三つの皿に順番にカレーをよそっていく。
「辛さはいつも通り?」
「うん。ちょっとだけスパイス足したけど」
「えー、ちょっとだけ?」
「歩実基準の〝ちょっと〟と一緒にしないで」
「この前コショウで鍋まっ白にしたもんね」
「それ、言わなくてもいいじゃん、蓋が取れたんだから」
春日井先輩が、
口元を押さえて笑っている。
「なんか、想像つく」
「やめてください。変なイメージ作るの」
「はい、できたよ」
湯気の立つ皿が、それぞれの前に置かれる。
夕方のニュースの音が、
テレビからうっすら聞こえる。
「じゃ、食べようか?」
三人で、声をそろえた。
「いただきます」


