君が照らす人生は、いつだって温かい


一人になった途端、
店内の音楽が急に大きく聞こえ始める。

洋楽のコーナー、アニメのサントラ、懐メロの棚。

どこを見ていいか分からなくて、
しばらく立ち尽くした。

そのとき、
ふと視界の端に見慣れたジャケットが映る。

さっき視聴した『夜明けの向こう』とは別の場所、
邦楽の『おすすめ』の棚に、
同じアーティストの前のアルバムが並んでいた。

灰色の街並みのイラストに、
小さな赤い傘だけが色を持っているジャケット。

タイトルは、『雨宿りの時間』。

なんとなく、その一枚を手に取った。

裏面にプリントされた曲名を指でなぞる。

『さよなら未遂』とか、
『傘を閉じる前に』とか、
そんなタイトルが並んでいた。

中三の冬。

自分も、似たようなところに立っていた気がする。

『さよなら未遂』で止まった場所。

そのとき、指に、別の指が触れた。



「あ、ごめん」



反射的に謝りながら、顔を上げる。

そこにいたのは、
昨日体育館で見た四番の人だった。