義母は、 観覧券を冷蔵庫のマグネットでぺたりと留める。 「明日、仕事少し早く切り上げるから。そのかわり、テスト勉強もちゃんとやること」 「やる」 「間違えてもいいから、途中で止まらないようにね」 それは、 ドラムの美由紀さんがよく言う台詞と、 どこか似ていた。 「……うん」 文化祭前日の夜。 私の『今日まで生きてきたんだよ』は、 ちゃんと誰かに向かって届く準備をしていた。