君が照らす人生は、いつだって温かい


◇

学校から帰ると、
義母はリビングで待っていた。

テーブルの上には、朝のプリントと、
学校の年間行事予定表。

その光景だけで、
話の内容がだいたい予測できてしまう。



「座って」



促されて、対面の椅子に腰を下ろす。

心臓が、いつもより少しだけうるさい。



「昨日のライブのことなんだけど」



義母は、予定表に指を置いたまま言う。



「危ないことはしてないって言ってたし、そこは信じてる」




「うん」



「でもね、〝これからも同じようにオッケー出せるか〟っていう話は、ちゃんとしておきたい」



その言い方は、
感情的ではなく、淡々としていた。

だからこそ、余計に逃げ場がない。



「私が一番怖いのはね」



義母は、プリントの一文を指でなぞる。



「バンドそのものじゃなくて、〝バンドに没頭している間、他のことが見えなくなっちゃう〟って状態なの」



胸が、ズキッとした。



「授業サボってスタジオ行くとか、テスト前なのにオールで練習するとか。そういうの」



「そんなこと、しないよ」



「今はね」



静かに返される。



「でも、今後どうなるかは分からないでしょ」



言葉に詰まる。

自分の『逃げグセ』を、
一番よく知っているのは自分だ。



「それに」



義母は、少しだけ声を落とす。