朝から、家の空気が少し重たかった。 いつものテレビの音。 いつものトーストの匂い。 なのに、 テーブルの上のプリントだけが、 やけに目に刺さる。 『校外活動に関するお願い』 昨日と同じ文面が、そこにあった。 義母は、 トーストをかじりながらページをたたむ。 「今日、少し時間ある?」 コーヒーの湯気ごしに、 まっすぐな視線が飛んでくる。 「うん」 逃げないと決めていた。