「でも、〝あっ〟って言った瞬間、笑い起きてました」
「慰めになってない」
そう言いつつ、どこか楽しそうだ。
「山谷さんの歌は?点数つけるなら何点?」
「えー、自分のですか」
「うん」
「うーん、四十点です」
「厳し」
「サビで二回音外しました」
「それは、俺のコードミスのせいでもある」
「都合よく巻き込まないでください」
そんなふうにやりとりしていると、
さっきまでの緊張が少しずつ溶けていく。
窓の外には、流れるコンビニの灯り。
信号機。
夜の住宅街。
「でもさ」
春日井先輩が、ふっと真面目な声になる。
「〝今日まで生きてきたんだよ〟、やっぱ反則だわ」
「反則?」
「一番最初に曲紹介したとき、後ろの大人のおっちゃん、めっちゃ頷いてた」
「ほんとですか」
「あれ絶対、〝わかる〜〟って顔してた」
想像して、つい笑ってしまう。


