君が照らす人生は、いつだって温かい


ライトが、思ったより近い。

客席には、
クラスメイトや同級生の顔がちらほら混ざっている。

春日井先輩が、マイクを取る。



「えー、東高の〝バンド名決めきれず〟です」



名前の言い方が上手すぎて、
逆にそれっぽく聞こえてしまう。



「今日は、二曲やります。一曲目はカバーで、二曲目は、ボーカルの山谷さんが歌詞を書いた曲です」



さらっとハードルを上げられた。



「じゃあ、一曲目、いきます」



ドラムのカウント。

ギターのイントロ。

最初の曲は、
何度も練習したカバーだったのに、
Aメロで先輩がコードを一個飛ばした。

分かる人には分かるミス。



「今のは、無しで」



間奏でふっと笑いながらつぶやいた声がマイクに乗って、
客席がクスッとざわめいた。

そのざわめきに助けられる。

一曲目をなんとか走り抜けて、拍手をもらう。



「ありがとうございます」



マイクを握り直す。