君が照らす人生は、いつだって温かい




翌日。

放課後の音楽室前の廊下は、
いつものように少しひんやりしていた。



「で、お母さんには?」



瑠奈が、
ロッカーにもたれかかりながら、
ニヤニヤしている。



「言った」



「なんて?」



「文化祭まではやるって約束したら、OK出た」



「おおー」



小さな歓声を上げて、瑠奈が両手を叩く。



「歩実、やるじゃん。革命じゃん」



「革命ってほどじゃないけど」



そこに、
ハーフアップの髪型を揺らしながら美由紀さんがやってきた。



「集まってるねー」



「みーゆーきさん、今日の髪型は〝バンド仕様〟ですか」



「誰がバンド仕様だ、誰が」



美由紀さんは、瑠奈の頭を軽く小突く。



「ドラマーだから。ちゃんとね」



その言い方に、
少し照れくささが混ざっていた。



「で、歩実ちゃんはお母さんクリアしたの?」



「はい。一応」



「よかった」



美由紀さんは、ふっと表情をゆるめる。



「あれ?温人は?」



「コーチと先生に話してくるって」



「〝バンドやるんで、バスケは一旦休憩します”って言うそうです」



「それ言ったら殺されるかも」



三人で笑ったところで、
松葉杖の音が近づいてきた。