あの子

足を滑らせて階段から転げ落ちた。

でもこんなのどうってことない、いつもあの子に比べたら。
毎日うざい、邪魔だって叫んで、床に這いつくばる私を蹴り上げて最後には消えろって笑うあの子に比べたら。

だからお望み通り消えてあげようと思ったの。

一歩踏み出す勇気は、案外簡単ねって笑ってあげた。
階段の下で這いつくばるあの子を見て、消えたと思ったから。

あの子の世界から私が。