学校から帰ると自分の部屋のベッドにダイブした。
「はぁ……。あの王子、今日一日で何個伝説を作ったんだろ……」
布団にもぐりながら、わたしはぐったりと息をついた。
今日のリアンは――。
木登りで女子を沸かせ、体育ではプロみたいなドリブルを披露し、給食の竹の子ご飯には「ふるさとの味だ」と感動。
(いや、完全にパンダじゃん……)
そんなことを考えていると、廊下から男の人の笑い声が聞こえてきた。
「今日の学校は、実に有意義だった。民の笑顔は、国の宝だな」
「それはよかったねぇ、リアンくん! 僕の母校も捨てたもんじゃないだろ?」
リアンとパパだ。
すっかり仲良しになっている。
(あんたが一番、民を振り回してるんだけど……)
だけど、リアンが学校を本当に楽しんでいたのは事実だ。
そのことを思い出すと、ふっと笑みがこぼれた。
リアンがいると空気が明るくなる。
王子なのに子どもみたいに無邪気で、どこか放っておけない。
でも、ひとつだけ、不安があった。
お腹が減るとパンダに変身してしまうこと。
「……明日も、学校でパンダに戻りませんように」
そんな祈りを胸に、わたしは眠りに落ちた。

