モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~

そして一年A組。

「え、ええええーーっ!!?」

教室中が悲鳴をあげた。
リアンが入ってきた瞬間、女子も男子も大騒ぎ。

(もー! こうなったら他人のふりだ!)

私は知らんぷりして席にすわる。

ところがリアンは、わたしにくっついてくると、隣の田中くんに声をかけた。

「こちらの席を借りてもよいかな?」

シャラ〜ンとどこからか輝きの音がした気がする。
田中くんはメガネをずらし、「ど、どうぞ!」と飛びのいた。

「ありがとう」

リアンは当然のようにわたしの隣の席へ。
わたしは悲鳴をこらえてにらむ。

(まったく、王子様ってこれだから……)

しかし、リアンは涼しげな顔でわたしにウィンクする。

「どうするの!? もうすぐ先生来るよ!」

そのタイミングで――。

ガラッ。

「おはようございまーす」

担任の増田先生が入ってきた。
彼は色白で細くて繊細な性格の先生だ。

教室をぐるっと眺めた先生は、リアンを見て固まる。

「……え? 転校生? 聞いてないぞ?」

案の定、先生は困っている。

「突然すまない。私は隣国・華琉国からの留学生、リアン・ロンだ。本日こちらで一日学ばせてもらう」

リアンは胸に手を当て、完璧な礼をした。
教室はしん、と静まり返る。

「え、ええと……僕ではわからないので、校長に相談を……」

「では、案内してくれ」

返事も待たずリアンが立ち上がる。

「リアン、待って! そこまでしなくても――」

わたしは慌てて声をかける。

「はじめが肝心だ。心配するな」

ニコッと微笑む王子。

先生はペコペコになりながらリアンをつれて教室を出ていった。

わたしは大きなため息をついた。

(はぁ、しんどい……)

「ねえ天音! どういうこと!? あのイケメンと知り合いなの!?」

親友の由奈が飛んできた。
クラス中の視線が私に集中している。

ひえぇぇ!!

なんだかわたしまで目立っている。

「えっと、くわしくは二人の時に話すから! 今はとにかく落ち着いて!」

由奈は「絶対聞くからね〜!」と席に戻っていった。

(リアンのバカ〜! 私の平和な日常を返して〜!)

しばらくして、リアンと先生が戻ってきた。

「校長先生の許可がおりたので、リアンくんは今日一日このクラスで過ごしまーす」

あっさり許可されてるし!

「許可が出た」

リアンはにっこり笑った。
わたしは心の中でまた絶叫する。

(先生たち、ゆるすぎでしょ〜〜っ!)