「ふう。任務完了、っと」
座り込んでいる先輩の身体に、持っていたロープをすばやく巻きつけて、これ以上暴れることがないように拘束しておく。
あっけなく片づいた喧嘩の仲裁に気を抜いていた、その時。
「っ、おい、後ろ! 避けろ!」
おれたちの戦いを静かに見守っていた茶髪の先輩が、大きな声でさけんだ。
振り返れば、茂みにかくれていたらしい男子生徒が、おれ目がけてナイフを飛ばしてきているのが見える。
多分、金髪の先輩の仲間だろう。
(やばい、油断した! 避けられない……!)
ナイフが背中に突き刺さるのを覚悟して、ぎゅっと目をとじる。
だけど、いつまで経っても背中に痛みは感じない。
恐る恐る目をあけてみれば、向かってきていたはずのナイフが、カランッと音を立てて地面に落下するのが見えた。



