無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます

 「俺が」

 天音は即座に頷いた。
 髪をそっと持ち上げられ、首元に彼の指先が触れる。金具を留める間、息遣いまで近くて、鼓動がやけに大きく聞こえた。

 「……できました」

 胸元で輝くダイヤは、思った以上に大きくて煌めいている。

 「やっぱり」

 満足そうな声の直後、不意に背後から腕が回された。
 背中に感じる体温に、思わず肩が跳ねる。

 「幹人くん……?」

 耳元で、低く囁く声。

 「今夜は帰したくない」

 正直すぎる告白が続く。

 「ほんとは、わざとプレゼントをここに置いたんだ。天音さんを呼ぶために」

 胸に当たる腕にわずかに力がこもる。

 「ずるいな」

 小さくそう言って天音は俯いた。