「あぁ、あの薬を飲んだおかげですぐに熱が下がりましたよ」
「ちげーよ。その薬じゃなくて」
鈴川がすかさず突っ込みを入れる。
幹人は数秒遅れて、ようやく意味を理解した。
「……寺崎さん、ですか」
「ほかになにがあんだよ」
悪びれもせず、鈴川は笑う。
「お前が死にかけそうだったからさ。急な仕事が入ってどうしようかと困ってたところであいつと会ったから頼んどいた」
「頼んどいた、って」
「差し入れな。ついでに様子見も」
ついで、の言い方が軽すぎる。けれど、その軽さが逆に胸に引っかかった。
鈴川の視線は、さっきから一度もこちらを外していない。からかうようでもあり、探るようでもある。偶然知った、という顔じゃない。
幹人はレンゲを持つ手に、わずかに力が入るのを感じた。
「知ってたんですか」
「なにを?」
「俺が……」
言い淀むと、鈴川は箸を止めてこちらを見る。年の差のある先輩らしい、余裕のある目だ。
「好きだろ」
否定できなかった。
「ちげーよ。その薬じゃなくて」
鈴川がすかさず突っ込みを入れる。
幹人は数秒遅れて、ようやく意味を理解した。
「……寺崎さん、ですか」
「ほかになにがあんだよ」
悪びれもせず、鈴川は笑う。
「お前が死にかけそうだったからさ。急な仕事が入ってどうしようかと困ってたところであいつと会ったから頼んどいた」
「頼んどいた、って」
「差し入れな。ついでに様子見も」
ついで、の言い方が軽すぎる。けれど、その軽さが逆に胸に引っかかった。
鈴川の視線は、さっきから一度もこちらを外していない。からかうようでもあり、探るようでもある。偶然知った、という顔じゃない。
幹人はレンゲを持つ手に、わずかに力が入るのを感じた。
「知ってたんですか」
「なにを?」
「俺が……」
言い淀むと、鈴川は箸を止めてこちらを見る。年の差のある先輩らしい、余裕のある目だ。
「好きだろ」
否定できなかった。



