無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます

 「引きます?」
 「引く」

 元旦にも引いたけれど、さらにいい運勢を願ってもう一度。筒を振りながら、なぜか緊張する。結果は――。

 「小吉。微妙だな……」

 元旦と同じだ。今年の運勢は〝ほどほど〟確定らしい。

 「そういう結果のほうがいいって、よく言いません?」
 「根拠はないよね。そういう加地くんは?」
 「大吉でした」
 「なんだ。だから小吉のほうがいいってフォローしたのね」

 思わず肘で小突くと、幹人が大袈裟に痛がる。

 「でも、なんか加地くんらしい」
 「どういう意味ですか」

 少しだけむっとしたように聞き返されて、天音は考えるふりをする。

 「なんていうか……」

 言葉を探してから、正直に続けた。

 「狙ったわけじゃないのに、ちゃんと一番いいところを引き当てる感じ」
 「それ、褒めてます?」
 「たぶん」