二人は仲良くケーキを食べ、甘い時間を過ごしたあと、そのまま体を寄せ合って眠りについた。
翌朝、愛斗は仕事へと出かけ、一日を働き詰めで過ごし、夜になってから家へと帰宅する。玄関の扉を開けるなり、弥生が笑顔で出迎えてくれ、愛斗は彼女を強く抱き寄せ、柔らかな唇に深くキスを落とした。
「おかえりなさい、愛斗くん」
「ただいま、弥生さん……。やっぱりここに帰ってくるのが、一番の楽しみだよ」
食卓には弥生の手料理が並んでいた。じっくり煮込まれたハンバーグに、新鮮な野菜のサラダ、そして具だくさんの味噌汁。二人は床に並んで座り、ゆっくりと食事を味わいながら、一日の出来事を語り合う。
ふと弥生が、少し照れくさそうに口を開いた。
「ねえ愛斗くん、実は明日ね、私の息子が来るんだ」
愛斗は箸を止め、驚いた顔をする。
「え?弥生さん、息子さんなんていたの?初めて聞いたよ」
「うん、昔のことだから話してなかったものね……。息子はプロの力士をしてるの。明日は久しぶりに休みが取れるから、こっちに来るんだ」
弥生は指でテーブルの端をなぞりながら、嬉しそうに続けた。
「それでね、私、愛斗くんと付き合ってること、ちゃんと話しちゃったの」
「そうなんだ……!話してくれたんだ、ありがとう。すごく嬉しいよ」
「息子にね、『前より全然明るくなったし、笑顔が増えたね』って言われたの。私自身も、自分でそう思うの。愛斗くんと出会ってから、毎日がこんなに楽しくて、心から笑えるようになったんだもの」
愛斗は優しく弥生の肩を抱き寄せる。
「たしかにそうだ。弥生さん、本当に笑顔が増えた。俺も、弥生さんの笑顔を見るのが一番好きなんだ」
二人は顔を見合わせて、幸せそうに笑い合った。
翌日、愛斗は仕事を休み、朝早くから銀行へ向かった。口座からお金を下ろし、弥生のために、そしてこれからの二人の生活のためにと、必要なものや美味しい食材をたくさん買い込む。家に戻り、冷蔵庫に収めたあと、コンビニで買っておいたカフェオレとスイーツを二人で仲良く食べ、午後になるのを待った。
昼過ぎ、約束していた待ち合わせ場所へと二人で向かう。ベンチに腰を下ろし、弥生の息子が来るのを待っていると、遠くから大きな体をした男性がこちらへ歩いてくるのが見えた。
「あ、大樹くんだ」
弥生が立ち上がり、手を振る。力士らしいがっしりとした体つきの大樹が近づいてくると、まずは弥生が愛斗の方を向いて紹介した。
「大樹、こちらが愛斗くん。私の……大切な人なの」
それから弥生は愛斗に向き直り、誇らしげに言う。
「愛斗くん、こちらが私の息子の大樹。今、相撲部屋で頑張ってるの」
「はじめまして、大樹です」
大樹は深々と頭を下げる。愛斗も慌てて挨拶を返し、三人はその場で少し話をしたあと、弥生の家へと戻った。
リビングでゆっくりと話したあと、「せっかくだから」ということで、三人で夕食の準備をすることになった。買ってきた野菜を切り、肉を焼き、煮込み料理の支度をする。
愛斗は包丁を持ちながら、ふと心の中で想像した。
――いつか弥生さんと正式に結婚して、こうやって家族三人で、それからもし子供が生まれたら、さらに賑やかになった家族みんなで、こんな風に料理を作ったり、笑い合ったりできたら、どんなに幸せだろう……。
そんな未来図を思い描きながら、愛斗は手を動かした。
約1時間かけて作った料理が食卓に並ぶ。大樹は一口食べるなり、大きく頷いて笑った。
「久しぶりの母さんの料理、やっぱり最高にうまいな。体に染みるよ」
「ありがとう、大樹。たくさん食べてね」
弥生が嬉しそうに言う。すると愛斗は真剣な表情になり、大樹に向き直って深く頭を下げた。
「大樹さん、俺たちのことを認めてくれて、本当にありがとうございます。俺たちの関係は、世間から見たら不倫と言われる恋かもしれません。でも、龍谷五朗という最低な男から弥生さんを守り、これから先も絶対に幸せにすると誓います。どんなことがあっても、弥生さんだけは俺が大事にします。……これからも、どうかよろしくお願いします」
大樹もまっすぐに愛斗を見つめ、力強く頷いた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。母さんが笑顔になったのは、愛斗さんのおかげだと俺もわかってる。母さんを頼みます」
二人の真剣なやり取りを聞いていた弥生は、嬉しさのあまり涙をポロポロとこぼした。
「二人とも……ありがとう……。私、本当に幸せ者だわ」
それからは他愛もない話に花を咲かせ、料理を全部食べ終わるまで笑い声が絶えなかった。夜遅くまで語り合い、次の日の朝、大樹はまた相撲の稽古へと戻っていった。
玄関で大樹を見送り、二人だけになった部屋で、愛斗は弥生を抱きしめる。
「家族が増えるって、いいものだな」
弥生は涙の残る顔で笑い、愛斗の胸に顔をうずめた。
「うん……。これからもずっと、二人で幸せになろうね」
翌朝、愛斗は仕事へと出かけ、一日を働き詰めで過ごし、夜になってから家へと帰宅する。玄関の扉を開けるなり、弥生が笑顔で出迎えてくれ、愛斗は彼女を強く抱き寄せ、柔らかな唇に深くキスを落とした。
「おかえりなさい、愛斗くん」
「ただいま、弥生さん……。やっぱりここに帰ってくるのが、一番の楽しみだよ」
食卓には弥生の手料理が並んでいた。じっくり煮込まれたハンバーグに、新鮮な野菜のサラダ、そして具だくさんの味噌汁。二人は床に並んで座り、ゆっくりと食事を味わいながら、一日の出来事を語り合う。
ふと弥生が、少し照れくさそうに口を開いた。
「ねえ愛斗くん、実は明日ね、私の息子が来るんだ」
愛斗は箸を止め、驚いた顔をする。
「え?弥生さん、息子さんなんていたの?初めて聞いたよ」
「うん、昔のことだから話してなかったものね……。息子はプロの力士をしてるの。明日は久しぶりに休みが取れるから、こっちに来るんだ」
弥生は指でテーブルの端をなぞりながら、嬉しそうに続けた。
「それでね、私、愛斗くんと付き合ってること、ちゃんと話しちゃったの」
「そうなんだ……!話してくれたんだ、ありがとう。すごく嬉しいよ」
「息子にね、『前より全然明るくなったし、笑顔が増えたね』って言われたの。私自身も、自分でそう思うの。愛斗くんと出会ってから、毎日がこんなに楽しくて、心から笑えるようになったんだもの」
愛斗は優しく弥生の肩を抱き寄せる。
「たしかにそうだ。弥生さん、本当に笑顔が増えた。俺も、弥生さんの笑顔を見るのが一番好きなんだ」
二人は顔を見合わせて、幸せそうに笑い合った。
翌日、愛斗は仕事を休み、朝早くから銀行へ向かった。口座からお金を下ろし、弥生のために、そしてこれからの二人の生活のためにと、必要なものや美味しい食材をたくさん買い込む。家に戻り、冷蔵庫に収めたあと、コンビニで買っておいたカフェオレとスイーツを二人で仲良く食べ、午後になるのを待った。
昼過ぎ、約束していた待ち合わせ場所へと二人で向かう。ベンチに腰を下ろし、弥生の息子が来るのを待っていると、遠くから大きな体をした男性がこちらへ歩いてくるのが見えた。
「あ、大樹くんだ」
弥生が立ち上がり、手を振る。力士らしいがっしりとした体つきの大樹が近づいてくると、まずは弥生が愛斗の方を向いて紹介した。
「大樹、こちらが愛斗くん。私の……大切な人なの」
それから弥生は愛斗に向き直り、誇らしげに言う。
「愛斗くん、こちらが私の息子の大樹。今、相撲部屋で頑張ってるの」
「はじめまして、大樹です」
大樹は深々と頭を下げる。愛斗も慌てて挨拶を返し、三人はその場で少し話をしたあと、弥生の家へと戻った。
リビングでゆっくりと話したあと、「せっかくだから」ということで、三人で夕食の準備をすることになった。買ってきた野菜を切り、肉を焼き、煮込み料理の支度をする。
愛斗は包丁を持ちながら、ふと心の中で想像した。
――いつか弥生さんと正式に結婚して、こうやって家族三人で、それからもし子供が生まれたら、さらに賑やかになった家族みんなで、こんな風に料理を作ったり、笑い合ったりできたら、どんなに幸せだろう……。
そんな未来図を思い描きながら、愛斗は手を動かした。
約1時間かけて作った料理が食卓に並ぶ。大樹は一口食べるなり、大きく頷いて笑った。
「久しぶりの母さんの料理、やっぱり最高にうまいな。体に染みるよ」
「ありがとう、大樹。たくさん食べてね」
弥生が嬉しそうに言う。すると愛斗は真剣な表情になり、大樹に向き直って深く頭を下げた。
「大樹さん、俺たちのことを認めてくれて、本当にありがとうございます。俺たちの関係は、世間から見たら不倫と言われる恋かもしれません。でも、龍谷五朗という最低な男から弥生さんを守り、これから先も絶対に幸せにすると誓います。どんなことがあっても、弥生さんだけは俺が大事にします。……これからも、どうかよろしくお願いします」
大樹もまっすぐに愛斗を見つめ、力強く頷いた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。母さんが笑顔になったのは、愛斗さんのおかげだと俺もわかってる。母さんを頼みます」
二人の真剣なやり取りを聞いていた弥生は、嬉しさのあまり涙をポロポロとこぼした。
「二人とも……ありがとう……。私、本当に幸せ者だわ」
それからは他愛もない話に花を咲かせ、料理を全部食べ終わるまで笑い声が絶えなかった。夜遅くまで語り合い、次の日の朝、大樹はまた相撲の稽古へと戻っていった。
玄関で大樹を見送り、二人だけになった部屋で、愛斗は弥生を抱きしめる。
「家族が増えるって、いいものだな」
弥生は涙の残る顔で笑い、愛斗の胸に顔をうずめた。
「うん……。これからもずっと、二人で幸せになろうね」

