入学式は40分ほどで終わった。
たった40分。
時間だけで考えれば短いはずなのに、私にとってはやけに長く感じる40分だった。
理由は簡単。
隣に静がいたからだ。
それだけで胸の奥が落ち着かなくて、何度も何度も意識してしまった。
もちろん、式の途中だから前を向いていなきゃいけない。それくらい分かっている。
でも、どうしても気になってしまう。
静は今どんな顔をしているんだろう。
さっき言ってたように、本当に嬉しいと思ってくれてる……?
そんな期待を抱きながら、私は何度か隣をちらりと確認した。
だけど――一度も目が合うことはなかった。
静はずっと前を向いたまま。
……なんだ。やっぱり、嬉しいのは私だけなのかな。
そう思った瞬間、胸の奥がきゅっと小さく締め付けられた。
勝手に期待して、勝手に落ち込むなんて馬鹿みたいだ。
私は小さく息を吐いて、静のことを考えるのをやめた。
少なくともこの40分間だけは、隣にいることを意識しないようにして、ただひたすら前を向いていた。



