入学して半年が過ぎた、
十月のある日。
「席替えするぞー」
先生の声。
その瞬間。
私は固まった。
……席替え?
私はゆっくり隣を見る。
空くん。
頬杖をついてる。
いつも通り。
「ちょっと空くん!」
「なに」
「なんで平気なの!?」
「なにが」
私はぐいっと身を乗り出した。
「だってさー!
席離れたら!」
「ん」
「授業中、
空くんのノート覗けないし!」
「……」
「消しゴム飛ばせないし!」
「……」
「シャーペンで机つつけないし!」
「……」
「走るの誘いづらいし!」
「……嘘つけ。
別にいいだろ」
「よくない!!」
叫ぶ。
空くんが鼻で笑った。
「……今の聞く限り、
利点しかないんだけど」
「ねーーー!!!」
後ろで、
葛西くんが吹き出した。
「空の隣人、
構ってちゃんの極みだな」
「葛西くんは黙ってて!!」
私はむすっと頬を膨らませた。
◇
「じゃあ、
くじ引けー」
先生が箱を持って歩く。
私はそわそわしながら、
紙を引いた。
書かれていた番号と、
黒板の席表を見比べる。
「あ、
あそこだ」
今よりずっと、
廊下側。
私はちらっと空くんを見る。
「空くん、
何番?」
「さあ」
「えー!
なんで教えてくれないの!?」
「別に」
絶対、
分かってる。
私はむっと頬を膨らませた。
「もーー!!
じゃあね空くん!」
私は教科書を抱えて、
新しい席へ向かった。
◇
新しい席。
教科書を入れ直す。
……隣、
誰だろ。
その時。
ガタッ。
隣から、
椅子を引く音。
私は反射みたいに顔を上げた。
そこにいたのは――
「空くーーーーん!!!」
空くん。
やれやれ、
みたいな顔。
「……早すぎる再会だな」
「やったーー!!
また隣だ!!」
私は机をばんばん叩く。
すると。
空くんが、
視線を逸らした。
「……勘弁してくれ」
そう言うくせに。
空くんの口元、
ちょっとだけ笑ってた。
十月のある日。
「席替えするぞー」
先生の声。
その瞬間。
私は固まった。
……席替え?
私はゆっくり隣を見る。
空くん。
頬杖をついてる。
いつも通り。
「ちょっと空くん!」
「なに」
「なんで平気なの!?」
「なにが」
私はぐいっと身を乗り出した。
「だってさー!
席離れたら!」
「ん」
「授業中、
空くんのノート覗けないし!」
「……」
「消しゴム飛ばせないし!」
「……」
「シャーペンで机つつけないし!」
「……」
「走るの誘いづらいし!」
「……嘘つけ。
別にいいだろ」
「よくない!!」
叫ぶ。
空くんが鼻で笑った。
「……今の聞く限り、
利点しかないんだけど」
「ねーーー!!!」
後ろで、
葛西くんが吹き出した。
「空の隣人、
構ってちゃんの極みだな」
「葛西くんは黙ってて!!」
私はむすっと頬を膨らませた。
◇
「じゃあ、
くじ引けー」
先生が箱を持って歩く。
私はそわそわしながら、
紙を引いた。
書かれていた番号と、
黒板の席表を見比べる。
「あ、
あそこだ」
今よりずっと、
廊下側。
私はちらっと空くんを見る。
「空くん、
何番?」
「さあ」
「えー!
なんで教えてくれないの!?」
「別に」
絶対、
分かってる。
私はむっと頬を膨らませた。
「もーー!!
じゃあね空くん!」
私は教科書を抱えて、
新しい席へ向かった。
◇
新しい席。
教科書を入れ直す。
……隣、
誰だろ。
その時。
ガタッ。
隣から、
椅子を引く音。
私は反射みたいに顔を上げた。
そこにいたのは――
「空くーーーーん!!!」
空くん。
やれやれ、
みたいな顔。
「……早すぎる再会だな」
「やったーー!!
また隣だ!!」
私は机をばんばん叩く。
すると。
空くんが、
視線を逸らした。
「……勘弁してくれ」
そう言うくせに。
空くんの口元、
ちょっとだけ笑ってた。


