冷たい狼さん、私にだけは甘いです?!

「…これ、落とした?」

「え…、あ…それ私のです!」


先輩が片手に持っていたのは、私のうさぎのチャーム。

Nのイニシャルがついてて私のお気に入り。


「無くしたかと思ってた…。」


でも、なんで先輩が?

そう思って顔をあげたとき、また先輩と目があった。


「!…」


あ、また目逸らしちゃった。

でも、ね?


「この間、プリント落とした時。

落ちてた。」

「あ…

二度もありがとうございます。」


…あれ。


「ん、じゃあ…次からは気をつけろよ。」

「はい…あの、名前…なんで。」


振り向きかけた先輩に聞いた。

すると、こっちを見てから少し笑って、


「…なんでだろうな。」


そう言って帰っていった。

周りにいた女子は追いかけず、少し固まっていた。



あれ…私、ヤバいのでは?


「優佳…。」

「菜々葉、がんばれ。」


嘘でしょ。

輝先輩…!