「あーっ、疲れた。今日の集会、マジで長すぎ。ハゲるかと思ったわ。自分がハゲてるからってこっちまでハゲさせようとすんなっつーの」
生徒会の集会が終わって、生徒会室にいた生徒の最後の一人が出て行った。
部屋に残ったのがあたしと真央だけになった瞬間、あたしはどかっと足を組んで椅子に座り直した。
一番上まできっちり閉めていたブラウスのボタンを外して、リボンを放り投げる。
投げたリボンは、長机の上を滑っていった。
「雅さん、足閉じて座ってください。スカートなんだから……」
「うるさいなー。真央しかいないし、ズボン履いてるんだからいいじゃん」
そう言って制服のスカートをバッとめくる。
その下には色気のかけらもない、えんじ色の体操ズボン。
「もう……はしたないですよ」
真央が呆れながら、あたしのスカートの裾を整えた。
真央は全然『ボディーガード』っぽくない。
口はあたしの方が達者だし、喧嘩だってあたしのほうが強い。
ご飯だってあたしのほうが食べるのが早いし。
子供の頃はあたしの方が足も速くて、いつも真央があたしを後ろから追いかけてきてた。
身長も、昔はあたしの方が高かった。
だけど中学生になった頃に抜かされて、それからは真央の身長が伸びる方が早くて、いまやすっかり見上げないといけなくなった。
……真央のくせに生意気。
だからこうやって、ひざをついてあたしを見上げる真央を見ると、昔に戻ったみたいで少しホッとするんだ。


