テンプレお嬢様は犬も食わない!〜強がりお嬢様と泣き虫幼馴染〜



「……『しつけ』だって……?」


自然と足が半歩前に出る。


「自分らより小さい犬を寄ってたかって怖がらせて、口までふさいで、それのどこが『しつけ』だっつーんだよ、あぁ!? 『しつけ』がなってないのは、てめえらのほうだろうがぁ!」


あたしの剣幕に、男三人がぽかんと口を開けた。

頭のてっぺんから爪先まで、どこからどう見てもお嬢様のあたしから、まさかこんな言葉が飛んでくるとは思わなかったみたいだ。


「雅さん」

「真央は黙ってて! あたしは――こういうのが、いっちばん許せないんだから!」


鼻息荒く男たちに向かって行こうとするあたしの肩を、真央がグッと掴んだ。


「雅さん」


その声は一回目よりも低かった。


「拳握りしめて、何する気ですか」

「見たらわかるでしょ。あいつらを一発ぶん殴るんだよ」

「だめです」

「なんでよ! 殴らないとあいつら、わかんないじゃん!」


あたしの肩を押さえる真央を振り返って、思いっきり睨みつける。

真央は眉を寄せて、口をぎゅっと結んであたしを見下ろしていた。


「言ったでしょ。僕が雅さんを守るって」