テンプレお嬢様は犬も食わない!〜強がりお嬢様と泣き虫幼馴染〜



「その空き地って、どこ?」


あたしが聞くと、女の子たちはそろって公園の裏手を指さした。


「あっち。フェンスの向こう」

「でも行っちゃだめだよ。ほんとに怖いんだよ」

「ありがと。大丈夫、あたし強いから」

「雅さん」


真央の声が少し低くなる。


「行くつもりですか」

「当たり前でしょ。マロンがいるかもしれないんだから」

「今の話、ちゃんと聞いてましたか」

「相手は人間でしょ? 話が通じるんだから犬よりマシだよ」

「今からその犬を探しにいくんですよ……」


本日何度目かわからない、真央のため息が聞こえた。


そんなこと言われたって。

犬には足があるんだから、移動しちゃうかもしれないじゃん。


それにもう、日も傾き始めている。

夜になる前にマロンを千夏の家に返さないと。


「ありがとう。危ないから、きみたちはここで遊んでてね」

「おねえちゃんたちは行くの?」

「うん。大丈夫」


あたしはにっと笑って、親指を立てた。


「あたしたち、解決屋さんだから」


真央が隣で、小さく息を吐いた。


「じゃあ行くよ、真央!」

「はいはい……」