氷の王子を笑わせたいっ!

『ちょっとお! わたしの相棒盗らないでよね!』

 って言いそうになって、間一髪わたしは言葉を飲み込んだ。


 そう……だよね。上本くんは、本当は遠藤くんの相棒なんだから……。


「……そのためにも、早く肩治して戻ってきてよね、遠藤くん! 相棒の上本くんも待ってるよ」

 いろんな感情を押し殺して、必死に笑顔を浮かべるわたし。


「ふーん。俺が戻ってきてもいいってわけだ」

 遠藤くんが、なにかを思いついたようにニヤリとする。


 そして、これ見よがしに上本くんの肩をさらにぎゅっと抱く。


「い、いいに決まってるでしょ?」

「……暑苦しいから、そろそろ離して」

 上本くんが、うっとうしそうに遠藤くんを押しのける。


「なんだよ、拓海。新しい相棒ができたからって、ちょっと冷たいんじゃないのお?」

「二人ともちゃんと俺の相棒だって思ってるし」

「そっか、そっか! 一ノ瀬のことも、ちゃんと相棒だって思ってんだ。よかったな、一ノ瀬!」

 遠藤くんがわたしの肩をポンポンっと叩くと、耳もとで『がんばれよ!』とささやき、そのまま荷物を持って行ってしまった。


 ねえ、『がんばれよ!』って、どういう意味~⁉