氷の王子を笑わせたいっ!

***


「「ありがとうございました!」」


 試合終了。結果は5対2。

 わたしたちの中学は、一回戦での敗退が決まった。

 この大会を最後に、三年生の先輩たちは引退となる。


「これで終わりかあ」

「ワンチャン行けんじゃね? って、途中思ったんだけどなあ」

「一回のゲッツー。あれ、マジでぞくっとしたよな」

「今までで一番テンション上がったよな」

「間違いない」

 荷物を片づけながら三年生の先輩たちがしゃべっているのが聞こえてくる。


 わたしが、もっとうまくできていたら……。

 先輩たちだって、もっともっと野球ができたのに。


 そう思ったら、我慢していた涙がポロッとこぼれ落ちた。


「悔いはない……って言ったらウソになるけど、一ノ瀬のおかげでいい試合になったと思う。感謝してる」

 隣で同じように荷物を片づけながら上本くんが淡々と言う。


 言葉を発したらどんどん涙がこぼれてしまいそうで、無言で首を左右に振る。


 そのとき――。