「ひぃっ……!」
その顔を見て、思わず小さく悲鳴を上げる。
雑巾の下から現れたのは、『氷の王子』なんて異名を持つ男子のキレイなお顔だった。
本名は上本拓海。
去年の四月に入学して以来、誰ひとりとして上本くんが笑っているところを見た人はいないらしい。
それどころか、なにがあっても顔色ひとつ変えず、近寄りがたいオーラを常に身にまとっている。
けど、その整いすぎなほど整った目鼻立ちの容姿から、『氷の王子』もしくは『絶対零度の王子様』なんて呼ばれているみたいで、密かにファンクラブなんかも結成されているとのウワサ。
といっても目立った活動は一切なく、『ただ遠くからじっと見守る会』なんだとか。
……っていう補足説明は置いといて。
手に持った雑巾をしばらくの間じっと見つめていた上本くんが、ぐるりと教室内を見回す。
当然のように、全員がさっと上本くんから目を逸らす。
わたしも思わず逸らしちゃった。
「誰? 今これを投げたの」
静かな声が教室内に響く。
「あ、アイツだよ! 一ノ瀬紬。オレは関係ねーからな⁉」
根岸がまっすぐにわたしを指さす。
「ごごごごめんなさい! 本当は根岸にぶつけるつもりだったんだけど、ちょうど上本くんが入ってきたから、それで……」
慌てて言い訳するわたしの元へと上本くんがゆっくり歩いてくる。
その間も表情ひとつ変えない。
それが逆に怖いんだけど⁉
その顔を見て、思わず小さく悲鳴を上げる。
雑巾の下から現れたのは、『氷の王子』なんて異名を持つ男子のキレイなお顔だった。
本名は上本拓海。
去年の四月に入学して以来、誰ひとりとして上本くんが笑っているところを見た人はいないらしい。
それどころか、なにがあっても顔色ひとつ変えず、近寄りがたいオーラを常に身にまとっている。
けど、その整いすぎなほど整った目鼻立ちの容姿から、『氷の王子』もしくは『絶対零度の王子様』なんて呼ばれているみたいで、密かにファンクラブなんかも結成されているとのウワサ。
といっても目立った活動は一切なく、『ただ遠くからじっと見守る会』なんだとか。
……っていう補足説明は置いといて。
手に持った雑巾をしばらくの間じっと見つめていた上本くんが、ぐるりと教室内を見回す。
当然のように、全員がさっと上本くんから目を逸らす。
わたしも思わず逸らしちゃった。
「誰? 今これを投げたの」
静かな声が教室内に響く。
「あ、アイツだよ! 一ノ瀬紬。オレは関係ねーからな⁉」
根岸がまっすぐにわたしを指さす。
「ごごごごめんなさい! 本当は根岸にぶつけるつもりだったんだけど、ちょうど上本くんが入ってきたから、それで……」
慌てて言い訳するわたしの元へと上本くんがゆっくり歩いてくる。
その間も表情ひとつ変えない。
それが逆に怖いんだけど⁉


