氷の王子を笑わせたいっ!

 今度の大会は、中学の部活だけじゃなくてクラブチームも出る大会だってとこまでは聞いていたんだけど。

 そっか。森下くんの所属するチームが、わたしたちの初戦の対戦相手なんだ。


 けど、わたしのことだけならまだしも、上本くんたちや、先輩たちのことまでバカにするなんて……!


 怒りで体の中がぐらぐらと煮え立つようにアツい。


「……絶対にわたしたちが勝つから」

「は? なに言ってんのか全然意味わかんねーんだけど」

 わたしが低い声でそう言うと、森下くんがバカにしたようにへらへら笑う。


「そのままの意味なんだけど。言ってる意味、ほんとにわからない?」

 できるだけ冷静に言い返す。


「わ、わかるわ!」

「そう。よかった。だったら、わたしたちが勝ったら、さっき言ったこと、ちゃんと謝るって約束して」

「は? なんで俺が謝んなきゃいけねーんだよ」

 森下くんが顔をしかめる。


「――百回やっても勝つっていうなら、問題ないんじゃないの?」

 また別の声がして、わたしたちはパッと声の方を見た。


「う、上本くん⁉」


 そう。気づいたら、すぐそばに上本くんが立っていたの。

 いったいいつから話を聞いていたんだろ。


 森下くんが、チッと小さく舌打ちすると、「まためんどーなヤツが来やがった」とぼそりとつぶやく。


「わーったよ。俺らが負けたら、土下座でもなんでもしてやるよ!」

 ぷりぷりと怒りを振りまきながら、森下くんはそのままどこかに行ってしまった。