氷の王子を笑わせたいっ!

「……実はさ、ちょっと訳アリなんだよね」

「え……訳アリ?」

「笑えなくなった理由があるっつーか……」


 笑わないんじゃなくて、笑えなくなった……?


 上本くんのいつものポーカーフェイスが頭に浮かぶ。


 笑えなくなるほどのことって……。


「ねえ、なにがあったの? 笑えなくなった理由ってなに?」

「いやあ……これ、俺が教えたってバレたら、アイツにしばかれるだけじゃ済まねえかも」

 遠藤くんが苦い顔をしながらわしゃわしゃと髪をかき混ぜる。


「大丈夫! わたし、遠藤くんに聞いたって絶対に言わないから」


 だって、ここまで聞いて、あとはヒミツな、なんて言われて納得できるわけないよ。


「うーん……じゃあ、ちょっと場所変えていい? あんま他のヤツには聞かれたくない話だからさ」


 そしてわたしたちは、近くの空き教室の中へと入っていった。