氷の王子を笑わせたいっ!

「大丈夫だよ。ストレートがちゃんと投げられれば、あとは握り方とか、指のかけ方を変えるだけだし」

「簡単に言うな。それが初心者には難しいんだよ」

 上本くんが呆れたように言う。


「ははっ。まあな! 握りに手間取ってると、慣れてない球だって相手にバレるしな」

「た、たしかに」

「でも、変化球って、ピッチャーの醍醐味だしな。やっぱ憧れるよなあ。俺もさ、中学生になったら投げられるってのが、めっちゃ楽しみだったし」

「小学生の間は禁止されているからな」

「肩や肘に負担がかかるからなあ」

 そう言いながら、浩輔くんが自分の右肩に手をやる。


「あ……ほんとごめんね」


 やっぱりケガで休んでる遠藤くんに頼むべきじゃなかったよね。


「大丈夫だって。握り方教えるだけだし。さすがに投げてみせることはできないけどさ。俺だって、先輩たちのためにできることがあればやりたいって思ってたし。むしろ俺のこと頼ってくれてうれしかったんだぜ?」

 そう言って、遠藤くんがニッと笑う。


「うん……ありがとう」

「よしっ。そんじゃ、まずはカーブから行くか。カーブのときはな、――」