氷の王子を笑わせたいっ!

***


 な、なんで⁉

 練習のときは、あんなにちゃんとストライクゾーンに入ってたのに。

 なんで全然入ってくれないの⁇


 あっという間に時は過ぎ、今日は初めての練習試合当日。

 朝から空は快晴、絶好の練習試合日和!


 ……なんだけど、初回から二者連続のフォアボール。

 ちなみに、まだ一球もストライクゾーンに入っていない。


 タイムを取った上本くんが、マウンドまで小走りでやってくる。


「ご、ごめんなさい。わたし……」

「大丈夫。どんな球でも絶対に捕るから。俺を信じて投げてきて」


 なんだかいつもよりも上本くんが大きく頼もしく見えるような気がする。


「……うん、わかった!」

「おいおい、俺らのことも忘れるなよ」

「ちょっとくらい打たれたって、俺たちが絶対アウトにしてやるからさ」

「先輩……!」

 こんなに大ピンチだというのに、先輩たちも笑顔で声を掛けてくれる。