神の愛

「お、恵介、久し振り~。1か月ぶりだな。・・・・・・1か月の間に子ども出来るなんて思ってなかったわ」

 後輩から来てから二十分後、今度は先輩が入ってくる。

 二十分の間に高校の後輩達は勢揃いした。文芸部、オカルト部、新聞部の部員で総勢20~30人ほどだろう。新入生がいない状態で三部活でこの人数が集まるのならそれなりに上々だろう。

 そして、そこにプラスして大学の文芸部、オカルト研究会、ミステリー同好会、新聞部の部員と会員が10人ほど。

 こっちは元々、4部活で50~60人いて10人集まっているのだから、そこそこのやる気だということだろう。

「あんたも同じこと言うのかよ」
「あれ、もしかしてもう後輩くんから言われた後?」
「後です」

 先輩は大学2年生。数週間後に迎える新年度からは3年生だ。勉強がそれなりにできるタイプだから、部活動にも精を出せるタイプの人間だ。何事も、そつなくこなすことができる人間だ。

「あらあ、じゃあ、別のこと聞いておこうかな」
「別のこと?」

 高校生達がこの場にあることが珍しいベビーカーと、そのなかに寝る赤ちゃんを見るために俺の側にたむろするなか、先輩は俺のことを真っ直ぐに見る。俺のことを真っ直ぐに見つめてくる同年代の人間は先輩くらいだ。

 何も知らないくせに、全てを見透かしているみたいな顔をして見てくるからむず痒くなる。

「新学期の教材は揃えられてるか? 体調は? 勉強の進み具合は?」
「そっちのことかよ。何も問題ないですよ」

 俺の返答に先輩は嬉しそうにニッコリと笑う。俺も先輩から来る質問に身構えたが変な質問じゃなくて安心した。

「なら良かったわ~。あ、もしかしてもう皆揃ってたりする?」
「します。これで全員です」
「うわあ、ラストだったんだ」

 軽い、軽すぎると内心、呟く。

 今年の高校大学交流会の企画を立てたのはあんただろうが、と言い返したくなるが喉元まで出掛けたその言葉は呑み込む。言っても良いことは何もない。株を落とすだけ。

「じゃあ、交流会開始しよー!」
「はいはい、言われなくても」

 先輩の言葉に俺が呆れながらも頷けば、後輩達も先輩の言葉に呼応する如く、「おー!」と元気良く声をあげた。

 赤ちゃん起きるから大声出さないでほしい、本当に。