「すごく緊張する。月菜ちゃんの両親、いや、私の両親はどんな人なんだろう」
朱音ちゃんは家を出た途端、表情がこわばり、不安そうにそんなことを口にする。
「大丈夫だよ。悪い人じゃないよ」
私は朱音ちゃんを安心させようと明るい声で話す。
でも、私もうまく説明できるかとか、悪い雰囲気にならないかとか不安でいっぱいだ。
「よく考えたら、月菜ちゃんの家に行くこと自体初めてだ」
確かに、朱音ちゃんの家には何度も行っているのに、私の家に来てもらうことはなかった。一度でも家に来ていたら、親に知られてたと思うけど。
「着いたよ。朱音ちゃん」
そう告げてから、玄関の扉を開ける。
「ただいま」
朱音ちゃんは私の後ろから、恐る恐る家に足を踏み入れる。
「おかえり、月菜。隣はお友達?」
お母さんは不思議そうに朱音ちゃんに目を向ける。
実の娘なのに、会わない期間が長すぎて姿を見てもわからないようだ。
「あっ、あの」
「朱音ちゃんは少し待って」
を開いた朱音ちゃんの声にかぶせるように、私は朱音ちゃんの口を封じるように言った。
「あ、朱音ちゃん?月菜、そう言ったよね?」
お母さんは驚きで目を丸くしている。
「言ったよ。お姉ちゃんの朱音ちゃんだよ」
「月菜、知ってたんだ」
「うん。朱音ちゃんから聞いた」
当たり前のように言ってしまったけれど、本当に言って良かったのかと思った。
一応、朱音ちゃんに口止めされていたから。
「朱音、そして月菜。本当にごめんなさい」
お母さんはそう言って、頭を下げた。
そして、ゆっくり話してくれた。
お母さんがお姉ちゃんを妊娠出産した時期はお父さんの収入が不安定で、子供を育てる余裕がなかったため朱音ちゃんを施設に預けた。
私が生まれた時には、少しずつ安定してきて子ども一人なら育てられたとのこと。
近頃は私のことで精一杯だったみたい。
「だから、二人にはすごく悪いことをした。本当にごめんなさい。謝って許されることではないとわかってる」
お母さんの声は震えていて、朱音ちゃんと目を合わせようとしない。
「わかりました。でも、なぜ私のことを迎えに来てくれなかったんですか?」
私が返事に困っていると、朱音ちゃんが抑揚のない声を発していた。
「数年前に迎えに行ったら、もう施設から卒業して一人暮らししてるって聞いたの。ずっと前から考えていたけど、合わせる顔がなくて……」
お母さんはすごくきまりが悪そうに言う。
「そうだったんですね」
私は何か言わないとと思うけれど、余計なことを言ったらなんて考えてしまい、沈黙が流れる。
「もし、二人が嫌じゃなかったら、これから一緒に暮らさない?お父さんにも相談してからの話にはなるけど」
お母さんが提案した。慎重に言葉を選んで話しているように見えた。
「そ、それ、絶対にいいと思う。朱音ちゃん、どうかな?」
私は朱音ちゃんとずっと一緒なんて嬉しすぎて即答した。
「ありがとうございます。でも、少し時間をください。じゃあこれで失礼します。またね、月菜ちゃん」
それだけ言って、朱音ちゃんは帰って行った。
朱音ちゃんは家を出た途端、表情がこわばり、不安そうにそんなことを口にする。
「大丈夫だよ。悪い人じゃないよ」
私は朱音ちゃんを安心させようと明るい声で話す。
でも、私もうまく説明できるかとか、悪い雰囲気にならないかとか不安でいっぱいだ。
「よく考えたら、月菜ちゃんの家に行くこと自体初めてだ」
確かに、朱音ちゃんの家には何度も行っているのに、私の家に来てもらうことはなかった。一度でも家に来ていたら、親に知られてたと思うけど。
「着いたよ。朱音ちゃん」
そう告げてから、玄関の扉を開ける。
「ただいま」
朱音ちゃんは私の後ろから、恐る恐る家に足を踏み入れる。
「おかえり、月菜。隣はお友達?」
お母さんは不思議そうに朱音ちゃんに目を向ける。
実の娘なのに、会わない期間が長すぎて姿を見てもわからないようだ。
「あっ、あの」
「朱音ちゃんは少し待って」
を開いた朱音ちゃんの声にかぶせるように、私は朱音ちゃんの口を封じるように言った。
「あ、朱音ちゃん?月菜、そう言ったよね?」
お母さんは驚きで目を丸くしている。
「言ったよ。お姉ちゃんの朱音ちゃんだよ」
「月菜、知ってたんだ」
「うん。朱音ちゃんから聞いた」
当たり前のように言ってしまったけれど、本当に言って良かったのかと思った。
一応、朱音ちゃんに口止めされていたから。
「朱音、そして月菜。本当にごめんなさい」
お母さんはそう言って、頭を下げた。
そして、ゆっくり話してくれた。
お母さんがお姉ちゃんを妊娠出産した時期はお父さんの収入が不安定で、子供を育てる余裕がなかったため朱音ちゃんを施設に預けた。
私が生まれた時には、少しずつ安定してきて子ども一人なら育てられたとのこと。
近頃は私のことで精一杯だったみたい。
「だから、二人にはすごく悪いことをした。本当にごめんなさい。謝って許されることではないとわかってる」
お母さんの声は震えていて、朱音ちゃんと目を合わせようとしない。
「わかりました。でも、なぜ私のことを迎えに来てくれなかったんですか?」
私が返事に困っていると、朱音ちゃんが抑揚のない声を発していた。
「数年前に迎えに行ったら、もう施設から卒業して一人暮らししてるって聞いたの。ずっと前から考えていたけど、合わせる顔がなくて……」
お母さんはすごくきまりが悪そうに言う。
「そうだったんですね」
私は何か言わないとと思うけれど、余計なことを言ったらなんて考えてしまい、沈黙が流れる。
「もし、二人が嫌じゃなかったら、これから一緒に暮らさない?お父さんにも相談してからの話にはなるけど」
お母さんが提案した。慎重に言葉を選んで話しているように見えた。
「そ、それ、絶対にいいと思う。朱音ちゃん、どうかな?」
私は朱音ちゃんとずっと一緒なんて嬉しすぎて即答した。
「ありがとうございます。でも、少し時間をください。じゃあこれで失礼します。またね、月菜ちゃん」
それだけ言って、朱音ちゃんは帰って行った。


