「お疲れ様セシル」
静かな夜の公園に、わたしとセシルの二人だけとなる。
さっきまでは動き回っていたけど、止まると一気に冬の寒さが感じ取れた。
「ああ」
セシルは、じっとわたしの腕を見ていた。
「お前、その手は手当しないのか?」
「忘れていた」
腕を見ると、血が出た所はだいぶ固まってきているけど、放置しておくわけにはいかない。
「血、勿体ないから舐める?」
断られるだろうけど、腕を差し出してみる。
「……舐めるわけないだろう」
やっぱり断られたけど、一瞬迷ってた。お腹空いているのかな。
「次にあげられるの、本当は明日だけど明後日になると思うよ」
「別にいらない」
しっかり断られたので公園の水の場の蛇口に行き、血を洗い流すと、綺麗に切った痕がでてきた。
ベンチに座り、応急キットの中の軟膏を塗って、包帯を巻いていく。
「セシルは、もう手当終わったの?」
「ああ。お前が協会の奴らと話している間にしておいた」
「いつのまに」
わたしの前に立つセシルは、ジッと手当を見ていた。
やっぱりお腹空いてるのかな。
「手慣れているな」
「まぁ、吸血鬼退治に怪我はつきものだかね。手当も沢山教わったよ」
「そうなのか……」
なんか重苦しい雰囲気になったから、軽く彼に質問してみる。
「ねぇ、これ痕になると思う?」
「なったら嫌か?」
「そりゃあ、まぁ」
ない方がいいけど。
「……じゃあ、俺の血呑むか? そしたら丈夫で傷の残らない体になるぞ」



