目の前の女は目を丸くする。
「きゃあ、な、なに?」
なんだなんだと周りの野次馬達は驚いて逃げ出した。
「わたしとアイツを知っていて分断させたかったのかも知れないけど。アイツは、わたし以外の血を吸わないって、そういう約束してんのよ!」
刀で突こうとすると、女はひゅっとジャンプをして避ける。
「正体現したね」
女からは涙も、泣きそうな顔もなくなり、ニヤッと笑う。
「あら、バレちゃった?」
「そもそもあんた最初からおかしかったよ。こんな寒いのに息が白くならないし、二月なのに薄着だし!」
わたしは戦うのに邪魔なローブを脱ぎ捨てる。
「なんだ。吸血鬼を信じているから分かった訳じゃないのね」
「信じてるから、確信したの!」
刀を振うが、舞うように軽く避けられてしまう。
「ちっ」
でも、まだまだ!
どんどん刀を振って行くと擦って、女の頬から青い血が流れる。
よし、当たる。血が流れる。このまま、押し切っていこう!
わたしが一歩踏み込もうとした時、女吸血鬼が不適に笑う。
「あなた、ずっとこっち見ていていいの?」
どういうこと? そう思った時、後ろから腕を掴まれる。
「なっ」
そちらを見ると居たのは、さっき逃げた筈の女吸血鬼を囲んで居た男だった。
「駄目だろう? そんな危ない物を振っちゃ」
こいつ、目が充血している。ってことは眷属!?
他の逃げ出したって思った奴らも戻って来ているし、全員目が赤い。
女吸血鬼に気をとられてちゃんと確認してなかった。
四人全員が眷属とか、こいつの才能は眷属化させる事か!



