協力者ってのは、本人はハンターじゃないけど教会に協力してくれる人のことで、教会の支部が置かれていない地域では、その人の家を使わせて貰うことがある。
わたしは眷属化した男を無事に協力者の家に無事運べた。
まだ、セシルからは連絡が来ていなかったので、わたしから連絡をする。……出ない。
「あいつ……」
あまり使いたくないけど、仕方ないからGPSで居場所を確認しようとした所で、
「きゃああああ」
どこからか叫び声が聞こえてきた。
吸血鬼に関係があるかは分からないけど、聞こえた方に向う。
そこは、協力者の家からほど近い公園だった。
二十代くらいの女性が、叫び声を心配したのか集まった人達に囲まれている。近づくと、わたしもその輪に入れて貰えた。
「どうしたんだい。姉ちゃん」
囲んでいた一人に聞かれ、中心の女性は自分を抱きしめるな形で、震えながら答える。
「今、襲われたの」
「襲われたぁ? それって、何にだ?」
「吸血鬼! あれは吸血鬼よ。わたしの首筋に噛みついて血を吸ってきたの」
確かに女性のオフショルーダーを着ているからよく見える首には、吸血鬼の歯がぴったり合いそうな二つの穴がある。
「吸血鬼? それって、どんな?」
わたしが聞くと、彼女は涙をこらえるながら言う。
「あれは、子供。まだ少年の吸血鬼だったわ。黒い髪で、重苦しい雰囲気が合って、とっても青白い顔をしていた」
それって……。
頭の中にセシルの姿が思い浮かぶ。
わたしは、彼女に恐る恐る訪ねる。
「その吸血鬼、何か言っていた?」
彼女はついに、ぽろぽろと涙を溢し始めた。
「ええ、白菊って言いながら、血を吸われたわ」
その言葉を聞いた瞬間、わたしは刀を抜いて剣先を女に向けた。



