「反応があった場所はどこなんだ?」
「えっと、三紗寺の横の墓地」
「そこは!」
聞いた瞬間セシルが勢いよく走り出すから、わたしも慌てて追いかける。
「そんなに慌てて。そこって、何かあるの?」
「三紗寺は、白菊の家の先祖代々の墓がある」
「うそ!」
まさかそれを狙ってってこと?
白菊さんが狙われたのは血が理由だから、同じ血が流れている先祖に目をつけるのはおかしくは無いかも知れないけど……でも、あるのは骨だけじゃない?
セシルは横を走るわたしを見ると急に腕を掴んで、持ち上げた。
「え?」
わたしをお姫様抱っこすると、そのまま走り始める。
「こっちの方が早い」
そして、家の塀の上に登り、そこから家の屋根に乗りうつる。
屋根の上を走ると、ジャンプして隣の家に飛び移る。
それで、どんどん隣の家へと行ってしまう。
人間なら世界記録ものの距離も、セシルにとってはわたしを抱えていようと軽々だ。
「こんなことしてたら吸血鬼に会う前に疲れるよ」
「いいんだよ。寺までは住宅街だから、こうして突っ切るのが早い」
確かに早いかもしれないけど……
「セシル。ちょっと焦りすぎじゃない」
「別に焦ってない。ただ、白菊が関係しているかもしれないのに、焦らないわけにはいかないだろ」
一瞬で矛盾してる。
でも、セシルはきっと、白菊さんに会えるまでずっとこうなんだろうな。がむしゃらに走り続ける。
今回で白菊さんと再会できたら良いな。



