戦う二人〜吸血鬼ハンターと吸血鬼〜



眷属となり巨大化した蟻は、やっぱりあれが最後の一匹だったみたい。

巨大蟻との戦いの痕を写真に撮ったり、巨大蟻が残したものが無いかを確認したりしながら、セシルの居る階に戻る。

この廃ビルが戦いの舞台になったのは、この一ヶ月で何度目だろう。

こんなすぐに眷属達に隠れ家にされる場所って他にある? ほんと危ないし、取り壊して欲しい。


「は、こいつもちがうのかよ」


その階に降り立った時、セシルの苛立った声と共にガチャガチャとした音が聞こえた。

声の方を見ると、廃品が集まっている、たぶん巨大蟻が巣にしていた部分を触っていたから、慌ててそちらに向う。


「セシル、荒らさないで」


早い、もう手当終わらせちゃったんだ。
私としては手慣れるほどあの技使わないでほしいのに……。

セシルの元につくと、急いで写真を撮り現場の状況を記録に残す。

そんなわたしを見て、セシルは呆れた声。


「よくある吸血生物の巣だぞ。わざわざ記録に残す程じゃない」

「こっちとしては、そうはいかない。眷属が授かった能力ってのは、どんな吸血鬼が眷属にしたかを示す手掛かり。巣には授かった能力が良く表われているから、細かい記録を付けたいの」


吸血生物の巣を写真に撮り、検分し、回収した方が良さそうなものを手に取る。


「あいつらは大きくなっていたから巣もその分大きいし、コンクリートが削れたこれは、あいつらが噛んだんだろうね。大きくなった分顎の力も強くなっていたみたいだから噛まれなくて良かった。……こんな風に情報が詰まっているんだから、荒らさないで」


ちゃんと話を聞いているか確認するため、わたしは振り向く。