「山田くん」
帰りの挨拶が終わって、みんなそれぞれ教室から出て行く。
わたしは部活入って無いけど、部活に行く人は急いで出て行こうとするから、わたしもすぐに山田くんに近づき、話しかける。
「なんだよ」
彼は、気まずそうにわたしを見る。
さっきの今だもんね。
「セシルは、白菊さんの事を今でもずっと一番大事に思ってる。だから、わたしなんだ。わたしがセシルに付き纏ってるの」
山田くんは驚いたように目を開いた後、気まずそうに口を閉じる。
近くにいたクラスメイト達が聞き耳を立てている気配がするが、気にせず話す。
「セシルには転入する前に偶然会って。その時からセシルは、わたしからすれば放っておけなくて。だからずっと、わたしがセシルにひっついてるの」
バディとして組んでいても、わたしが彼を監視する必要あっても、学校の中では別に話したり、関わったりしなくたっていい。
そうしていないのは、わたしがセシルに絡みにいっているのだ。
それは、ただ彼のことが心配だから。
「セシルは、それを拒否してないだけだよ」
「それが、アイツの駄目な所だろ」
「駄目じゃないよ。優しくて、強くて、かっこいい所」
嫌いな吸血鬼ハンターと組む。
協会から近くで監視されるのを受け入れる。
白菊さんの為に、セシルはその手段を選んだんだ。
「セシルはビックリするくらい白菊さんの事が好きだよ。だから、あんまり悪く言わないで」
わたしの言葉に、山田くんは黙って俯いてしまう。
「ごめんね。話しかけて」



