いつもより気が立っている感じのあるセシルと共に教室に戻ると、六時間目は終わって帰りの会前の帰宅準備をしているタイミングだった。
わたし達が教室に入ると、少しひそひそされる。
保健室に様子見に行った人が倒れて保健室のお世話になればそうなるか……かと思ったら、ちょっと違うみたい。
わたし達に向けられている目線は、少し攻撃的だ。
眷属退治しているのを見られて、セシルが吸血鬼だと知られちゃった?
いや、それなら恐怖の感情も交ざっていそうだけど、そんな様子は無い。
わたしはみんなの様子を気にしちゃうが、セシルは普通に自分の机に向う。
ここで立ち止まっていても意味ないので、わたしも自分の机に向かい帰りの準備をしようとしていると、声をかけられた。
「お前ら二人って、本当仲いいよな」
それは、このクラスの男子の山田くん。
近くの席じゃ無いから、わざわざこれを言いに来たみたい。
「セシルが保健室行ったと思ったら、市川も行って。それで、セシルが迎えに行く」
山田くんがわたし達に向けるのは、揶揄い混じりのようでいて、悪意が籠もった声だった。目も、敵対的な鋭さを持っている。
あー、なるほど、そういう理由か。白菊さん、みんなに好かれてたっていってたもんね。
クラスの殆どの人が敵対的な雰囲気なのは、みんな同じ考えって事なのかな?
でも、こんな時にこなくたっていいのに。
「だから、なんだ? 俺もこいつも具合が悪かったから保健室に行っただけだ。俺が迎えに行ったのは、こいつの隣の席だからだが」
セシルはイライラしているのか語気が強い。山田くんもそれに対して敵対的だ。
「だからってわざわざ授業抜け出して行く必要はねえだろ」
まぁ、それはそう。
普通その時間に呼びにいくことはない。



